収縮低減タイプの混和剤とは
収縮低減タイプの混和剤とは、減水成分と収縮低減成分を一液化した化学混和剤です。従来の混和剤に対して乾燥収縮を5~15%程度低減できることを特徴としています。
収縮低減タイプの混和剤は、JIS A 6204のAE減水剤や高性能AE減水剤、高性能減水剤の規格に適合する商品がラインナップされています。また、収縮低減剤と異なり、あらかじめ減水成分と収縮低減成分が一液化された混和剤であるため、生コンクリート工場やコンクリート製品工場で従来の混和剤と同様の取扱いができ、簡便に低収縮コンクリートを製造することが可能です。
収縮低減メカニズム
収縮低減タイプに含まれている収縮低減成分は一般に収縮低減剤として使用されている化学物質と同じ範疇に属するもので、その収縮低減メカニズムも、収縮低減剤と同様であると考えられます。
コンクリートの乾燥収縮は、その硬化体内部の空隙水が乾燥により逸散することによって生じます。そのメカニズムは複雑で研究者ごとに見解が異なりますが、相対湿度40~90%の中・高湿度領域では毛細管張力説が有力とされています*1。
毛細管張力は毛細管空隙水の表面張力に起因し,式(1)で表されます*2。図-1に示すように、収縮低減成分の添加で表面張力を低下させることによって毛細管に作用する内部応力を低減することができると考えられています。

ΔP=2γ/r 式(1)
ΔP:毛細管張力(N/m2)
γ:液の表面張力(mN/m)
r:液面の主曲率半径(mm)
収縮低減タイプの性能と試験結果例
収縮低減タイプの混和剤の使用量は製品の種類にもよって多少異なりますが、従来の混和剤の標準使用量に対して1.5倍程度となっている製品が多いです。これは有効成分に収縮低減成分を含むためです。
高性能AE減水剤(収縮低減タイプ)を用いたコンクリートの乾燥収縮試験結果の一例を図-2に示します。乾燥期間26週において,通常の高性能AE減水剤に対して水セメント比に関わらず標準使用量(1.5%)で12%程度の収縮低減効果が得られています。また,単位水量を低減し,使用量を増加することでさらに大きな低減効果を得ることも可能です。

参考文献
