高保持タイプ(AE減水剤)

AE減水剤高機能・高保持タイプとは

AE減水剤高機能・高保持タイプとは、減水率が15%程度でスランプ保持性を大幅に向上させたAE減水剤です。AE減水剤は、空気連行性能をもち、所要のスランプを得るのに必要な単位水量を減少させる化学混和剤で、化学混和剤を使用していないコンクリートから10%以上の減水性能があります。また、「AE減水剤高機能タイプ」は、減水率が15%程度でスランプ保持性を有する化学混和剤であり、単位水量規定クリアやスランプ保持性など多様化しつつある化学混和剤への要求に応えるため開発されました。

しかしながら、建設投資額の減少等に伴う生コン工場の集約化による生コンの運搬時間の長時間化や、地球温暖化の影響による気温の上昇に起因するスランプ保持性の低下などの理由により、更なるスランプ保持性を有する化学混和剤が望まれています。このような背景から新たに開発されたのが、AE減水剤高機能タイプよりもスランプ保持性を大幅に向上させた「AE減水剤高機能・高保持タイプ」です。JIS A 6204ではAE減水剤に分類されています。なお、呼称については各社で異なります。

スランプ保持のメカニズム

AE減水剤高機能・高保持タイプの最大の特徴であるスランプ保持性は、ポリカルボン酸系ポリマーが主に担っています。ポリカルボン酸系ポリマーは、その立体障害作用によりセメント粒子同士の凝集を阻害し高い分散性を得ることができます。さらに、その構造を自由に変化させることにより、セメント粒子の分散時期を自由に調整することができるため、図-1に示すように複数のポリカルボン酸系ポリマーを混合することにより、従来のAE減水剤高機能タイプより長時間のスランプ保持性を実現することが可能になりました。

図-1 経過時間とスランプの関係(イメージ)
図-1 経過時間とスランプの関係(イメージ)

AE減水剤高機能・高保持タイプの特徴と試験結果例

  1. AE 減水剤高機能タイプと比較して、スランプ保持性に優れているため、長時間良好なワーカビリティーを確保できます。
  2. AE 減水剤高機能タイプと同じく、一般のAE減水剤よりも単位水量を減少させることができます。
  3. 運搬時間や荷卸し時間を長時間確保でき、スランプ管理が容易になります。
  4. 大幅に凝結時間を遅延させることなくスランプを保持できます。
  5. フライアッシュや高炉スラグ微粉末などを大量に使用したコンクリートのスランプ保持性に優れます。
  6. 遅延形は酷暑期においても、良好なワーカビリティーを確保できます。

試験結果例を図-2に示します。従来のAE減水剤高機能タイプに対し大幅にスランプを保持することができます。なお、凝結時間やブリーディング、圧縮強度などは従来のAE減水剤高機能タイプとほぼ同様です。

図-2 AE減水剤高機能・高保持タイプの試験結果例
図-2 AE減水剤高機能・高保持タイプの試験結果例